第2回福岡ひきフェス振り返り:「直接ひきこもりたち」に届くフェスへ

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本人に情報を届ける大切さを再確認

第2回福岡ひきフェスを通じて、「ひきこもり本人」に向けた情報発信が何よりも重要だと改めて感じました。理由はひきこもりを経験した人たちにしか分からないメッセージがあると感じているからです。

そのために今回は「ゲームの世界観」を取り入れ、視覚的に引きつける工夫をしました。その結果、昨年よりもひきこもり本人たちの来場が増えました。

フェスの内容自体も大切ですが、それ以上に「フェスが外出のきっかけになる」ことに大きな意味があると気づくこともできました。

実際、「福岡の繁華街まで来れた」「久しぶりに電車に乗れた」「外に出るのが怖くなくなった」など、来場者からの声が届いています。

心に残った来場者の姿と声

ひきこもりの来場が増加

会場スタッフによると、「あすみんへの用事ではなく、福岡ひきフェスを目的に訪れた人が多かった」とのことでした。実際、ひきこもり本人が一人で、または親と一緒に来場する姿が目立ちました。

また、全国のひきこもり経験者が寄せてくれた応援メッセージをじっくりと読む本人たちの姿が印象的でした。関東から遠路はるばる訪れてくれた人もおり、全国に情報が届いていることも感じました。

ゲームの世界観が好評

特に好評だったのが「ひきこもりダンジョンMAP」です。ひきこもり状態をゲームの世界観で表現し、視覚的なインパクトを高めたことで、足を止めてじっくり見る人が多くいました。

「あなたはどうする?」という疑似体験コーナーでは、「ひきこもりは明日は我が身」という印象的な言葉もありました。多くの人にひきこもりの現実を身近に感じてもらえたと思います。

また、昨年は反応が薄かった「ひきこもり図書館」ですが、今回は設置しなかったところ、逆に問い合わせが複数ありました。来場者のニーズに改めて気づくことができたのも収穫でした。

また、今回は『悪質な支援者』についても触れました。その実態を伝えることで少しでも被害者を減らしたいという思いからあえて掲示しました。

次回に向けた改善点と課題

効果的なプロモーションを強化する

ひきこもりたちへの情報発信で特に有効だったのはX(旧Twitter)でした。ひきこもりや精神障害を抱える人がXを使う傾向が高いことが再確認できました。

一方、支援者や親世代はFacebookを活用していることから、立場や年代によって情報源が異なることも分かりました。次回は「どの情報を見て来たか」を簡単に記録できる方法を導入し、客観的なデータで広報を改善したいと考えています。

「ひきこもり図書館」を再開し、より魅力的な会場にする

来場者の要望を踏まえ、次回は「ひきこもり図書館」を再開します。ただ本を並べるだけではなく、書店の選書フェアのように魅力的に紹介します。

・本の内容を分かりやすく伝えるPOPの設置

・「ひきこもり経験者が選んだおすすめ本」

・「この本が人生を変えた」というエピソード付き展示

など、手に取りたくなるような工夫を考えています。

フェスを「外出のきっかけ」にする

本人たちにとって、フェスの内容だけでなく「会場に行くこと自体」が大きな体験となり価値のある行動になります。実際、「外出できた」という体験そのものが大きな前進になっています。

次回は外出のハードルを下げるため、

・会場までの道順を写真などで事前案内

・初めての来場者向けに分かりやすいガイドを提供

・足を運んでみたくなる楽しい仕掛け

といった工夫も検討しています。

「本人が主役」のフェスを続けるために

福岡ひきフェスは、ひきこもり本人が主役のイベントです。本人たちに前向きな情報を届け、自分の意思で一歩を踏み出すことを応援することが、ひきこもりに対する偏見を減らす一番の近道だと信じています。

第3回に向け、

・より本人たちの興味を引くプロモーション

外出へのハードルを下げる仕組みづくり

展示物のさらなる工夫

を強化し、ひきこもり本人たちがよりいっそう足を運びたくなるフェスにしていきます。

次回は2026年2月下旬開催予定です。ぜひ楽しみにお待ちください。