これまで居場所には継続して参加できる一方で、その次のステップで止まってしまうケースを多く見てきました。
特に多いのが、
- 次のステップが就労支援に限定される
- 行っても継続できない
- 「次の一歩」が重すぎる
- 支援の過程で本人が疲弊してしまう
という状況です。
そのためNienteでは、
「居場所」と「就労支援」の間をつなぐ場として、『居場所の半歩先』を始めました。 5月は0回目として試験的に実施しました。
就労だけをゴールにしない
居場所と就労支援の中間と定義していますが、「居場所の半歩先」は就職だけを目的にした活動ではありません。
大切にしているのは、
- 自分を知ること
- 自分で考えて決めること
- 小さな成功体験を積むこと
- 自分らしい生き方を見つけること
です。
ひきこもり支援ハンドブックの「自律」にもつながるこの考え方を踏まえながら、本人自身が意思決定を重ねていけることを重視しています。
「どう話すか」より先に必要なこと

0回目のテーマは「コミュニケーション編」でした。
しかし、単なる話し方講座や面接テクニックの勉強会ではありません。
今回大切にしたのは、
- 過去にやってみたかった仕事
- ワクワクする瞬間
- 長く続いたこと
- 続かなかったこと
- 楽しさややりがいを感じる時
- 自分に合いそうな環境
などを整理しながら、「自分の取扱説明書」を作っていくことでした。
Nienteでは、「面接にどう受かるか」だけを学ぶ支援は、本質的ではないと考えています。
仮に就職できても、
- なぜ働きたいのか
- 何が合うのか
- どんな環境なら続けられるのか
が整理されていないと、その後の苦しさやミスマッチにつながりやすいためです。
実際に見えてきたこと
今回の勉強会を通して、主催側にも新しい気づきがありました。
参加者からは、
「人と一緒に何かをすることに楽しさを感じる」
という声もありました。
ひきこもり状態にある人は、「人との関わりが苦手」と見られやすい側面があります。
しかし実際には、“関わりたくない”のではなく、
- その環境がたまたま安心できない
- これまでが合わない環境だった
- さまざまな無理をし続けてきた
というケースも少なくありません。
今回改めて感じたのは、関係が深まり理解したつもりであっても、「本人に直接聞いてみないと分からない」ということでした。
本人主体を大切にする
「居場所の半歩先」は、大々的な募集は行っていません。
理由は、
本人の十分な納得がないまま参加すると、“やらされる学び”になりやすいためです。
過去に告知した際に、本人からの申し込みよりも、親御さんからの申し込みや問い合わせが多く寄せられました。何とかしたいと願う親の気持ちが切実に伝わってきました。
しかし、親の不安解消のための活動になっては、かえって逆効果になってしまう。本人の主体性のない支援は続かない。私は自身のひきこもり経験からそう感じています。
Nienteでは、
- 本人の内的動機
- 今学びたいこと(必然性)
- 本人のペース
を重視しながら、オーダーメイド型で継続していく予定です。
今後について
今後は、
- 暮らしのコツ
- 自己理解
- 社会制度
- 働き方
- 得意を活かす企画
なども検討しています。
「変えさせる支援」ではなく、本人自身が、「少しやってみようかな」と思える小さな半歩を、これからも一緒に作っていきます。2026年は今回を含め5回実施予定です。


