Nienteを応援してくれる施設紹介「チームハーネス」

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本記事では、Nienteに活動の場所を提供してくれているチームハーネスを紹介します。

チームハーネスは、合同会社MICHISIRUBE FUKUによって運営され、主に視覚障害者やその他の障害を持つ方々に就労に関するサポートを行っています。特に視覚障害者を対象とした就労訓練に重点を置き、彼らが社会で自立し、活躍するための手助けをしています。

Nienteは、チームハーネスから提供された場所で「Nienteお茶会」を開催し、多くの人々に支えられています。この記事を通じて、チームハーネスの活動と提供する多様な支援に焦点を当てていきたいと思います。

また、チームハーネスがどのようにしてNienteを支えてくれているのか、その経緯と詳細にも触れていきます。

チームハーネスの理念

チームハーネスの理念は、視覚障害者やその他の障害を持つ方々の就労支援を通じて、彼らの自立と社会参加を促進することです。この施設では、個々の利用者に合わせた職業訓練や学習プログラムを提供しており、それぞれの能力や希望に応じたサポートを行っています。これには、パソコンスキルの習得から、より実践的な職業訓練まで幅広い内容が含まれます。

チームハーネスの特徴的な取り組みは、就職後のフォローアップにも力を入れていることです。就職先での定着を支援するため、就業後も継続的なサポートを提供し、職場での適応や成長を促進しています。この施設の目指すところは、障害を持つ方々がそれぞれの能力を生かし、自信を持って社会で働けるようになることです。チームハーネスの使命は、ただ職業訓練を行うだけでなく、障害を持つ人々が社会の中で自立し、充実した生活を送れるよう支援することにあります。

山田代表のインタビュー

山田代表は、コロナ禍とテクノロジーの進歩が私たちの生活にもたらした変化について、リラックスした調子で語ってくれました。ZoomやAIが普及する一方で、人間ならではの温かみや地域とのつながりがますます大切になっていると語ります。

特に、地域コミュニティの中での人間関係の重要性を強調し、「遠い親戚より近くの他人」という言葉を引き合いに出します。自身が地域の自治会の副会長として活動する中で、地域の人々との日々のふれあいがいかに大切かを感じていると話します。地域をもっと元気にしたいという山田さんの思いは、チームハーネスの活動にも影響を与えています。

山田さんは、視覚障害者の就労に関しても熱い思いを語ります。昔はマッサージ師や鍼灸師など限られた選択肢しかなかったが、今はパソコンを使った仕事が増え、就職の選択肢がずっと広がったと話します。山田さんは、多くの視覚障害者が自分に合った仕事を見つけ、継続して働いていることを誇りに思っており、「仕事を楽しんでいる人は辞めない」と笑顔で話し、これがチームハーネスの他にはない特徴だと語ります。

また、山田さんは、上司や同僚との良好な関係が職場での継続に欠かせないと強調します。自身の過去の病院勤務の経験から、人間関係が仕事の満足度に大きく影響することを理解しており、それがチームハーネスでのサポートにも生かされています。

Nienteへの協力

チームハーネスは私たちの活動のために、お茶会の場として提供してくれています。始まりは、福岡のひきこもり家族会での出会いから。そこで山田さんと知り合い、「居場所を作りたいなら、うちの施設を使ってみない?」という温かい提案がありました。この施設は普段は視覚障害者の訓練所として使われていますが、利用者が帰った後の作業場をお茶会のために提供してくれています。

私自身、ひきこもりの居場所を作るにあたっては、参加者と運営者の安全性とコストを重要視していました。山田さんの申し出は、まさに私たちが必要としていたものでした。お茶会の場所として、安全で安心な環境を提供してくれるのです。お茶会には、医療や福祉のプロであるチームハーネスの職員もいるので、私と参加者が2人きりになることはありません。職員の存在が、参加者に安心感を与えています。おかげで、私たちは10ヶ月間、毎月トラブルなく居場所活動を続けることができています。この「Nienteお茶会」は、参加者にとって心のオアシスとなり、チームハーネスとの絆を深めています。

チームハーネスの特色

チームハーネスは、障害者の就労を目的とした事業を展開しています。彼らの就労継続支援B型では、作業の収益を工賃として支払い、利用者に収入を提供しています。また、就労移行支援を行い、就職を目指す障害者に生活の整理や職業訓練を提供しています。パソコン作業を好まない人には、他の作業を選択する自由を与えています。

チームハーネスの最大の特徴は、視覚障害者を主な対象とした就職訓練です。様々なソフトウェアを使った訓練を行い、就職を希望する個々のニーズに応じてサポートしています。さらに、就職後も半年間のサポートを行い、職場での適応と継続を促進しています。

山田さんは、病院から訪問看護に転職し、在宅医療の経験から、いろいろな人に携わる中で、視覚障害者目が悪いだけで他は人と何も変わらないことに気づきました。山田さんは、視覚障害者には鍼灸師などの限られた職業しかないという現状に疑問を持ち、視覚障害者を対象とした事業所を立ち上げることを決意しました。

チームハーネスは、視覚障害者の職業の範囲が広がったことに着目しています。アプリやソフトウェアを使ったパソコンの仕事が可能になり、彼らの就職の選択肢が大幅に増加しました。これにより、好きな仕事に就いた視覚障害者は、職を辞めることなく継続して働いています。チームハーネスでは、就職者6人中5人が継続して働いており、これは障害者雇用の分野では非常に低い離職率を示しています。これは、職場が個々の能力に合っているからであり、適切なサポートがあることが大きいと考えられます。

アクセスと連絡先

チームハーネスへのアクセスは以下の通りです。

住所: 福岡県福岡市南区清水1丁目20-16

電話: 092-541-5022

メール: michisirube_fuku_llc@outlook.jp

ウェブサイト: http://www7b.biglobe.ne.jp/~michisirubefuku/index.html

まとめ

チームハーネスの活動は、単なる就労支援を超え、視覚障害者が自分の能力を信じ、社会で活躍するための基盤を提供しています。その中で山田さんはコミュニケーションの重要性を説いており、就職するための最も難しいことはコミュニケーションの取り方だと言います。その第一歩が「あいさつ」だと語ります。

山田さんが初めて就職する前に、お父様から「相手がどうであれ、自分からまずあいさつをする」「返事があろうとなかろうと、必ず毎日続ける」「そうすることによって、相手はいつかあいさつしてくるようになる。そこから信頼関係ができてくる」と言われたそうです。

この精神は、チームハーネスの心地よい雰囲気を作り出しています。山田さんは自分から挨拶をすることで「心の中で1ポイント獲得」と考え、その積極的な姿勢が、周囲を変え、ものを言わない人でも話すようになると信じています。

このような温かい人間関係は、チームハーネスの根幹となっており、視覚障害者が自信を持って社会に参加するための大切なステップとなっています。チームハーネスと山田さんの取り組みは、多くの人々に影響を与え、ひきこもり界隈にも新しい希望の光を灯しています。