
2024年2月17日〜2月26日の9日間、福岡市NPO・ボランティア交流センター「あすみん」にて、第3回福岡ひきフェスを開催しました。
福岡ひきフェスは、ひきこもりに関する理解促進を目的とした啓発イベントです。
今回は常設展示形式で実施し、約210名(あすみん計測)の方にご覧いただきました。あすみんによると、一般的な展示会(150〜180名程度)を上回る来場数とのことでした。
第3回の位置づけ|一般市民への理解拡張
これまでの開催は、
- 第1回:福岡県内のひきこもり支援機関を当事者・家族へ届ける活動紹介
- 第2回:当事者の内面世界を可視化するゲーム仕立てのダンジョンマップ企画
という流れで実施してきました。
第3回は、一般市民への理解拡張を目的とした社会接続型展示として企画しました。
「ひきこもり展」にしなかった理由
今回は、あえて「ひきこもり展」と前面に出しませんでした。
代わりに、ひきこもり経験者による植物アート展示を入口としました。
会場動線上に展示を設置することで、あすみん利用者が日常の移動の中で自然に目にする設計としました。
実際に、ワークスペース利用者が移動途中に立ち止まり、植物をきっかけに説明パネルへ視線を移す様子が見られました。
あすみん職員からも、
「植物展示が一番人を引き寄せていた」
との評価をいただいています。
展示内容

- ひきこもり経験者による植物アート展示
- 植物で表現した体験漫画の展示
- 経験者おすすめ書籍の紹介コーナー
- 特別講座「動けなくなった本人をどう理解し、どうかかわるか」
展示は常設形式で、スタッフ常駐なしで実施しました。

特別講座の様子(参加約20名)

特別講座には約20名が参加しました。
内訳は、
- 約3割:家族
- 約6割:支援者(社会福祉協議会職員・ひきこもり支援者・訪問看護等)
- 約1割:行政関係者
春日市社会福祉協議会から4名、春日市役所から1名が参加し、当団体の主たる活動地域の支援関係者が多く参加したことは、大きな前進と感じています。
講座後半は質疑応答の時間を多く取りました。
家族から具体的な悩みが次々と出され、講師は教科書的な一般論ではなく、訪問看護の実践事例を交えて回答されました。
深く頷く家族の姿があり、「わかってもらえた」という空気が会場にありました。
イベントから生まれた接続
展示を通じて当事者が来場し、当団体が主催する居場所を紹介する機会が生まれました。
また、福岡市こども総合相談センターえがお館、ピースフル、福岡市若者総合相談センターユースサポートhubの関係者・利用者の来場もあり、若者支援との接点が広がりました。
福岡市 × 春日市という活動拠点
当団体は、福岡市と春日市を活動拠点としています。
様々な相談機関が充実する福岡市。
コンパクトな市であるがゆえに支援モデルの仮説検証を行いやすい春日市。
政令指定都市モデルと、10万人規模の地方都市モデルの両方で活動していることで、財源や人口規模に応じた支援のあり方を検証し、将来的に国や県、近隣自治体へフィードバックできる可能性があります。
スモールサイズの運営構造
本イベントは常設展示形式です。
- スタッフ常駐なし
- 作業は設営・撤去のみ
- 作業は1名で対応可能
- 展示制作費・印刷費含め約1万円程度(講師謝金除く)
団体活動で得られる講演会謝金等で賄える規模です。
低コスト・少人数運営でも210名が展示に触れる結果となりました。
今後は、同様の啓発イベントを実施したい団体への共有も検討しています。
継続性を最優先に
福岡ひきフェスは単発イベントではありません。
10回、20回と続く活動に育てていきたいと考えています。
当事者主体の啓発イベントを継続・発展させることが、ひきこもりに対する前向きな印象を作り、差別や偏見の緩和につながると考えています。
課題について
課題は多くあります。
しかし、完璧性や安全性に過度にとらわれすぎると、何も始められなくなることもあります。
最低限のリスク管理は必要ですが、前例踏襲に終始することこそ最大のリスクであると捉えています。
また、広報面は改善の余地が多く、メディアを通じたPRは十分とは言えません。今後の課題として取り組んでいきます。
次回について
第4回は、県や各自治体の地方自治や政策に関わる人々に向けた企画を検討しています。
県内のひきこもり支援環境整備につながる取り組みを目指します。
ひきこもり支援に関心のある方へ
Niente福岡市では他支援機関の居場所に出張対応、春日市では、社会福祉協議会を拠点に家族会や居場所活動を運営しています。
また、市外の家族会や市民講座などで”ひきこもり経験談”をお話ししております。
ご関心のある方はお問い合わせください。

