「Niente料理部」活動報告

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趣味の料理を通じて、新しいコミュニケーションの場を築く「Niente料理部」。

先日、その初の活動開催しました。参加者同士で餃子を作り、お酒を楽しみながら心の距離を縮める時間となりました。

開催概要

  • 日時:9月16日(土) 15:00〜19:00
  • 場所:八おき塾(福岡わかもの就労支援プロジェクト)
  • 参加人数:2名
  • 主な活動内容:餃子作り、お酒を楽しみながら語り合い
八おき塾(福岡わかもの就労支援プロジェクト)

会場を無償提供してくださってます。

「八おき塾」ひきこもり支援団体の紹介
ひきこもり当事者が、ひきこもり支援団体を取材しました。当事者の視点で団体の特徴や強みをご紹介します。

活動のハイライト

この度の「Niente料理部」は、通常の当事者会とは異なる雰囲気で実施されました。お酒を手に取りながら、一緒に餃子を作るというシンプルな活動の中で、参加者の間に本音での会話が自然に生まれました。

その背景には、この活動が「男子ごはん」という料理番組からの着想を基にしていることが影響しています。

【予告】男子ごはん
国分太一と栗原心平の同世代の男2人が日曜のお昼にお届けする料理番組。ほのぼのとした雰囲気の中、2人で仲良くおしゃべりしながら、様々なレシピを紹介します。▼公式HP男子ごはん #バラエティ

男性同士が集まり、くだらない話から真剣な議論までを共有する、そのようなゆるくて楽しい時間を目指しました。

実際の活動では、雑談から深い話題へと話が移行することが何度かありました。特に、「なぜひきこもりになったのか」「将来どのような仕事に就きたいのか」というテーマについて、私たちが誘導することなく自然に話題として取り上げられる瞬間がありました。

また、運営者としての私の感想としては、「やってて楽しかった」というのが正直なところです。当事者としての経験を持つ私にとっても、この活動はただの運営側の立場だけでなく、一参加者として楽しい時間を過ごせたのです。

参加者からも「支援プログラムとは違う、自然体の雰囲気が良かった」との声が寄せられました。そのようなフィードバックを受け取ることができたのは、私たち運営側としても非常に嬉しい結果となりました。


思いがけないイベント

活動が進行する中で、ある参加者から突如「大人っぽく見られる服が欲しい」との話題が挙がりました。これを受けて、「そこから直接服を買いに行こうか?」というアイディアが飛び出し、まるでテレビ番組「ヒルナンデス」のようなファッション企画の流れへと変わりました。

皆で博多駅の駅ビルへと足を運び、ファッションのセンスがあるもう一人の参加者とともに、似合うコーディネートの提案を行いました。普段はシンプルなTシャツとデニムのスタイルの彼に、大人っぽいジャケットやカーディガンを試着してもらいました。

元々がモデル体型の彼は、選んだ服によって一気に大人の雰囲気を纏うようになりました。新しい服を着た彼の顔つきには、自信と満足が見られました。


次回の予定

「Niente料理部」の活動が非常に楽しかったため、毎月の定例活動として続けることを決定しました。今後は、毎月の第2または第3土曜日に開催する予定です。

また、Nienteの通常の当事者会と「ひきこもり料理部」を区別するため、参加者のニーズに合わせた内容で実施する計画です。

通常の当事者会は「初めて参加する人」や「不安が強い人向け」という位置づけで、一方、料理部は「活動にチャレンジしたい人」や「次のステップを目指す人」のニーズに応えるものとして考えています。

これにより、多様なニーズを持つ当事者たちが、自分に合った活動を選択できるような環境作りを目指しています。

まとめ

「ひきこもり料理部」の開催は、私たちにとって新たな試みでしたが、料理を中心としたこの活動を通じて、参加者の方々との深いコミュニケーションが生まれることが確認できました。

当日の料理活動、それに続く思わぬファッション企画のような出来事は、私たちのコミュニティ内での絆をさらに深める素晴らしい体験となりました。

また、今後の定期開催のニーズを確認することができ、さらなる活動の幅を広げるきっかけとなりました。これからも「ひきこもり料理部」を中心に、様々な活動を通じて、当事者の方々の社会参加の一助となるような場を提供していきたいと考えています。