先日、四半期の活動報告会を行いました。いま一度、今年度のビジョンやゴールに対して進捗を確認したいと思います。
活動の目的と進捗
023年、当団体は発足1年目を迎えました。この大事な年のスタートとして、私自身が最も重視したのは「自分自身の心身の健康を第一に」という原点。運営者である私の心身管理を徹底しつつ、継続的にピアサポート活動を実施してきたのが、この1年の目標でした。
驚くべきことに、当初の予想をはるかに超える形での活動が実現しました。スタート時、Nienteは「ひきこもり当事者会」の活動を小規模で、継続的に行えればと考えていました。しかし実際には、毎月の当事者会はもちろんのこと、ひきこもり予防活動や家族、支援者を対象とした活動報告会も開催できるようになりました。
さらに、より質の高い支援を提供するために、私自身も学びの場を増やすことにチャレンジしました。思春期青年期精神医学会への参加や、障がい者アートマネジメント講座の受講など、5ヶ月間で自己啓発の機会を持つことができました。
実績と成果
ひきこもり当事者会の安定的な参加者数
一般的に「参加者が少ない」と言われがちな「ひきこもり当事者会」でありながら、Nienteでは継続的に安定した参加者を確保することができています。初回の集客の難しさを乗り越え、2回目以降は参加者が続けて当事者会に参加してくれました。
高いリピート率
アンケート結果を見ると、参加者のリピート率が高く、多くの方々が再度参加を希望しています。「次回も参加したい」という声や、「ここでの共有が自分にとって貴重」という感想が多く寄せられました。
継続的な安定運営
2023年の活動期間中、大きなトラブルは一切発生せず、スムーズな運営を継続することができました。安全に団体を運営することは最重要項目でした。団体規則やルールの設定は時間を費やしてきた結果と考えられます。
持続可能な運営を目指して
多忙化する他の仕事との両立
ひきこもり経験者として、Nienteの活動以外にも他の仕事が増えてきたことは、社会復帰の観点から喜ばしい変化です。しかし、これに伴い、複数のタスクを円滑にこなすための優先順位の整理やスケジューリングが求められてきました。
リスクマネジメントとしての活動ペースの見直し
現状、運営者の心身は特に疲れているわけではありませんが、将来的にもその状態を維持したいと考えています。余裕を持った運営が、参加者やそのご家族とのコミュニケーションの質を保ちつつ、更なる活動の発展を促す鍵となると感じています。
参加者からの声
参加した家族たちからの声を深く受け止める中で、多くの共通の要望が浮かび上がってきました。特に「ひきこもりからどうやって回復したか、具体的なプロセスや手段を知りたい」という声が強く、その背後には彼らの愛する人を理解し、サポートしたいという熱意が感じられました。
さらに、「ひきこもっていた私を支え続けた家族の話を直接聞きたい」というニーズも強く感じられました。これは、家族が自らの状況をより良くするためのヒントや知識を探していることを示しています。
これらの深い要望を胸に、Nienteは今後も家族の真のニーズに応える活動を展開していく所存です。そして、私の家族や自分自身の安全面も考慮しつつ、可能な限りこれらの要望に答える形での活動を模索していきます。
今後の展望
Nienteの活動は、参加者や家族からの声を大切にしながら、そのニーズに合わせて進化を続けます。
物理的、または心理的な理由で直接当事者会に参加することが難しい方向けに、メタバースを活用した新たな形の当事者会を検討しています。これにより、場所や時間の制約を越え、さらに多くの方々との繋がりを築いていくことを期待しています。
家族向けには「回復のステップやコミュニケーションの勉強会」を提供する予定です。家族はひきこもりに関する知識を取得するだけでなく、その知識をアウトプットし合う場としての勉強会のニーズが高まってきました。この勉強会を通して、家族同士がフィードバックを交換し、実践的な学びを深めることができる環境を提供する考えています。
また、前向きな活動を求めてくるひきこもり当事者のために、安心感の中での少しの挑戦を取り入れた「より社会参画につながる当事者会」も企画中です。安全な場であるがゆえに、少しの挑戦を加え、過去のネガティブな経験をポジティブに変える機会を提供することが必要だと考えています。
まとめ
ひきこもり経験者としての信念は「ひきこもった事実は変えられない。しかし、未来は変えられる」というもの。Nienteは、これからもひきこもり問題の解決に向けて、参加者や家族と共に、その未来を明るくしていくための一翼を担ってまいります。