第2回「Niente料理部」活動報告

この記事は約5分で読めます。

開催目的

現代の生活の中で、多くの方々が日常の中でさまざまなストレスや孤独感を感じていると言われています。特にひきこもりの当事者の方々は、外の世界との繋がりを持つのが難しく、その結果、より孤独感を感じることが多いと思います。そこで、Niente料理部はそのような当事者の方々に、安心して心を開き、楽しめる場所を提供する目的で設立しました。

  1. アクティブな要素を取り入れた居場所
    Niente料理部は、新しいことに挑戦する楽しさや達成感を味わっていただくため、アクティブな要素を取り入れております。
  2. 心の距離を縮める場
    家族や支援者には伝えにくいことも、Niente料理部であれば気兼ねなくお話しいただけます。本音でのコミュニケーションを通じて、他の参加者や運営者との繋がりを深めることができます。
  3. 料理の楽しさの共有
    料理は、人々を結びつけるツールとしての役割も果たしています。Niente料理部では、料理を通じて、参加者同士の理解や絆を深める活動を行っています。

Niente料理部では、ただの料理をする場所ではなく、それぞれの当事者の方が自らの居場所を見つけ、新しい人生の一歩を踏み出すきっかけづくりをしています。

今回の活動内容

八おき塾(福岡わかもの就労支援プロジェクト)の会場を借りて、Niente料理部は活動しています。今回のテーマは「鶏づくし」。参加者とともに、鶏を主役にした各々の得意料理を共有し、楽しい時間を過ごしました。

一つのハイライトとして、参加者の方からタイの伝統料理「ガパオライス」が紹介されました。ガパオはタイ語でバジルを意味し、その新鮮な香りと風味がガパオライスの魅力の一部です。人生初のガパオライスは絶品の一言。あまりの美味しさに我が家の定番メニュー入りしました。

また、私自身も過去のイタリアンレストランでの経験を活かし、「ミラノ風カツレツ」を作成。本来は豚肉を使用するところですが、鳥の胸肉を使用したこの料理は、その柔らかさと風味で参加者に好評を得ることができました。

Niente料理部としては、参加者とともにアニメや映画で見るような特別な料理を実際に作り、共有することで、特別な時間を作り出しています。

八おき塾(福岡わかもの就労支援プロジェクト)
「八おき塾」ひきこもり支援団体の紹介
ひきこもり当事者が、ひきこもり支援団体を取材しました。当事者の視点で団体の特徴や強みをご紹介します。

参加者の声から得たもの

Niente料理部の活動を通して、参加者からの声に耳を傾ける中で、いくつかの貴重な気づきを得ることができました。

  1. 生き方の模索
    参加者が「個で働くことや人との繋がりの大切さ」について話してくれたことから、ひきこもりの方々も、自分に合った生き方を絶えず模索していることを改めて実感しました。彼らも生きることを諦めていないのです。
  2. 仕事との関わり方
    「仕事の話題」が自然と出てきたことから、ひきこもりの方々にとって、仕事というテーマは敬遠すべきものではないことを感じました。むしろ、彼らも仕事を通じて自分の存在価値を確かめたいと願っているのかもしれません。
  3. 否定されない場の大切さ
    Nienteの場で、参加者が将来や仕事観について本音で語る姿から、安全であり、自分の意見が否定されない場の重要性を再認識しました。そのような環境が、彼らの心の中に眠る思考や感情を引き出す鍵となっていると感じました。

これらの気づきをもとに、Niente料理部は今後も参加者の声に耳を傾けながら、より良い活動を展開していく所存です。

Nienteのミッション:共に生き方をデザインする場所

ひきこもり支援、Niente、当事者が設立しました

Nienteは、「ひきこもり当事者自身の手で幸せな生き方をデザインする」ことをミッションとして掲げています。私たちは、その答えや方向性を一方的に示すことではなく、当事者と共にその答えを探る活動を心掛けています。

運営者自身がひきこもりの経験者であり、発達障害を持つことから、多様な価値観や困難に直面している人々の気持ちを深く理解したいと願っています。この経験を活かし、Nienteは「否定されない場所」として、それぞれの参加者が自身の生き方や価値観を安心して表現できる場所を提供しています。

起業やNPO団体の立ち上げを通して、運営者自身が「働きやすい職場」を求める心からの思いを形にしました。この経験をもとに、Nienteは参加者の方々に、自分らしい生き方や働き方を模索・実現するサポートを行っています。

運営者の背景

Nienteの運営者は、ひきこもりの経験を持ちながら、発達障害を背負い、精神障害者手帳を取得しています。その経験を活かし、2023年にはNPO団体を個人で立ち上げ、さらには起業を実現しました。

運営者は、ひきこもり経験があり、精神障害者であることを隠すことなく、社会に参加することが、最大の支援となると考えています。その姿勢が、多くのひきこもりの方々やその関係者に対して、自分らしく生き、社会に参加することの価値や可能性を示す一助になればと思い活動しています。

「自分らしい生き方」や「自分のペースでの社会参加」が可能であることを、運営者自身の経験と活動を通して伝えることで、Nienteは多くの人々の希望の灯りとなりたいと考えております。

次回の予定

Niente料理部は、次回、11月25日(土)15:00〜19:00に、特別なテーマでの活動を予定しております。そのテーマは、「クリスマス」。冬の訪れと共に、温かな料理と共に、クリスマスの雰囲気を楽しむ会を計画しています。

ひきこもりの方々は、季節のイベントを体験する機会が少ないことが多いです。そこで、安心できる場所と人々と共に、クリスマスの雰囲気を存分に味わっていただくことを目的としています。実は、11月だけでなく、12月にもクリスマス会を開催する予定です。2回のチャンスで、心温まる時間を過ごしませんか?

皆様の参加を心よりお待ちしております。一緒に楽しい時間を作り上げましょう。