ニエンテでは、2026年3月も家族会と居場所を開催しました。
地域の中で、ひきこもりや不登校、生きづらさを抱える本人や家族が、安心してつながれる場を継続して開いています。
今回の活動では、家族会に新しい参加があり、居場所では継続参加の方どうしの自然な交流が見られました。
また、対話や交流を通して、参加された方の気持ちや関わり方に少しずつ変化が生まれていることも感じられました。
市報やチラシを見て参加につながった方もおり、地域の中で必要とされている活動であることを改めて実感しています。
今回は、3月の家族会と居場所の様子を報告します。
今月の活動概要
2026年3月も、春日市社会福祉協議会にて、家族会と居場所を実施しました。
家族会では、参加者4名のうち新規参加が2名ありました。
初回参加の方向けに家族会の概要説明に加え、オープンダイアログを用いた対話と、NPO法人ふらっとコミュニティで実施している家族心理教室を行いました。
居場所は、女子会と男子会をあわせた長時間のイベントとして実施し、女性2名、男性4名の計6名が参加しました。
当初はお花見を予定していましたが、雨天のため室内開催に変更し、食事づくりと会話を中心にゆっくり過ごしました。
家族会の様子
新しい参加がいらっしゃいました
今回の家族会は4名が参加し、そのうち2名が新規参加でした。
どちらも春日市の市民の方で、市報やチラシを見て参加されたとのことです。
昨年度から、春日市の市報にニエンテの家族会や居場所を掲載していただいています。
実際にそこから参加につながったことは、行政の広報協力が地域の中で必要な人に届いていることを感じる出来事でした。
生活圏の中に、ひきこもりや生きづらさを抱える家族が確かにいることを、改めて実感した瞬間でもありました。
家族心理教室が1年を迎えました

今回で、家族心理教室はちょうど1年目を迎えました。
継続して参加されている親御さんの様子からは、本人の気持ちに寄り添おうとする姿勢が少しずつ整ってきていることを感じています。
また、活動を続ける中で強く感じたのは、家族にしか届けられない言葉があるということです。
支援者が伝えると助言や指摘のように受け取られやすい内容でも、同じような経験をしてきた家族が話すことで、まったく違う形で届く場面がありました。
これは、家族会の中で学びを共有していくことの大きな意味であり、集団で学ぶことの力を改めて感じた時間でした。
対話の中で気持ちが整理されていく時間
オープンダイアログの時間では、この1年の振り返りを対話形式で行いました。
この方法の良さは、否定や評価されずに一人ひとりが話す時間をしっかり持てることにあります。
家族会では、参加したのに十分に話せなかった、聞いてほしいことを話せなかった、ということが起きやすいこともあります。
その点、オープンダイアログを取り入れることで、参加者が自分の言葉で話し、否定されずに聞いてもらう時間が守られやすくなります。
話すことそのものが、自分の考えや感情を整理することにつながり、気づきや安心感が生まれていくことを今回も感じました。
支援という言葉への新しい気づき
今回の家族会も、春日市社会福祉協議会の職員の方にも参加していただきました。
その対話の中で印象的だったのは、「支援」という言葉に対する受け止め方の違いが見えたことです。
支援する側は、上からの立場にならないようにしたい、同じ目線で一緒に考えたい、という思いから、「支援」という言葉に慎重になることがあります。
一方で家族の立場からは、「支援」という言葉に安心感があるという声もありました。
これは支援者側だけでは気づきにくい視点であり、言葉の選び方や関わり方を考えるうえで大切な学びになりました。
居場所の様子

室内で食事づくりを楽しみました
今回の居場所は、女子会と男子会をあわせた長時間のイベントとして開催しました。
参加者は、女性2名、男性4名の計6名で、新規参加者はいませんでした。
本来は、お弁当を作って近くの公園へお花見に行く予定でしたが、あいにくの雨のため室内開催に変更しました。
その代わりに、みんなで食事を作り、会話を楽しみながらゆっくり過ごす時間となりました。
この日の食事は、高岡市今塚の人気ハンバーガー店の味を再現したハンバーガーでした。
みんなで作って一緒に食べる時間はとても和やかで、安心して過ごせる居場所らしい時間になったと感じています。

参加者どうしの自然な会話が生まれていました
今回特に印象的だったのは、毎回参加している方どうしが自然に会話を楽しんでいたことです。
スタッフが会話をつなぐ場面もありましたが、それ以上に、参加者本人どうしが会話をしながら楽しく時間を過ごしている様子が見られました。
これは、居場所が単に集まる場ではなく、少しずつ関係性が育っている場になってきていることを感じさせる場面でした。
安心できる環境があることで、人とのやり取りに少しずつ前向きになれることや、自分のペースで交流できることの大切さを改めて感じました。
今後やってみたいことの声も出てきました
今回の居場所では、今後どのような内容をやってみたいかについても話を聞くことができました。
その中で出てきたのが、話す練習をしたい、コミュニケーションについて学びたいという声でした。
ニエンテでは、安心して過ごせる居場所を大切にしながら、そこから少し先のステップにつながる機会も考えています。
就労支援や社会参加は、必要であってもすぐにはハードルが高いことがあります。だからこそ、その手前にある、自己理解を深めることや社会資源について学ぶような場が大切だと考えています。
今回、参加者の側からそうした声が出てきたことは、とても大きな意味がありました。
安心できる居場所の中で過ごしてきたからこそ、自分から次の一歩を言葉にできるようになってきたのだと思います。
今後に向けて
2026年度は、現在の居場所に参加している方の声を大切にしながら、居場所の次のステップとなるような内容も少しずつ実施していく予定です。
第1回目は、コミュニケーションをテーマにした学びの機会を考えています。
ただし、こうした内容は、気軽に過ごす居場所として参加したい方にとっては負担になることもあります。
そのため当面は、広く告知する形ではなく、現在参加している方の様子や希望を大切にしながら進めていきたいと考えています。
また、このような内容は、周囲の期待ではなく、本人の気持ちや参加したいという意思があってこそ意味を持つものだと考えています。
安心できる居場所を土台にしながら、それぞれのペースに合った形で、無理のない次の一歩につながる場を育てていきます。
おわりに
今回の活動を通して、地域の中にこうした場を必要としている方がいることを、改めて感じました。
そして、参加された方の様子からは、安心して話せること、つながれること、学び合えることの大切さを何度も教えてもらっています。
ニエンテでは、今後も家族会や居場所の活動を続けながら、その様子をホームページで発信していきます。
「こういう場があってよかった」と思ってもらえるように活動を続けていきます。


